第5回日曜版「歴史の小道」――浦上信徒の旅

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8月6日、「近代カトリック教会史」を学ぶ学習会「歴史の小道」日曜版が開かれました。
「長崎での信徒発見」から150年を記念するミサが各地で行われたのは記憶に新しいところですが、今年は、その「発見」の2年後に起きた浦上信徒流配事件「浦上四番崩れ」から150年にあたります。5回目となる今回の勉強会では、「旅」と呼ばれるその一連の出来事について時代背景とともに学びました。
diary20170806-2.png幕末、諸外国との条約締結から維新へと時代が向かうなか、長崎の信徒たちは禁教下で秘密教会を組織していました。しかしそれが発覚し捕えられます。特に浦上では大勢が検挙され、拷問を受けて「改心」するものもいる一方で、一途に信仰を守り抜こうとした人々がいました。そして各国公使の幕府への再三の抗議にもかかわらず弾圧は続き、3000人を超える信徒が、萩・津和野を始めとする西日本各地へと流罪に処されます。

ところがその浦上信徒たちの「旅」は、「邪宗」のものと恐れてきたキリシタンが自分たちと変わらぬ人間であったと一般民衆たちの誤解を解くことにつながり、さらに流刑の地でどんな拷問を受けようとも屈することのないゆるぎない信仰態度が為政者に説諭不可能の思いを抱かせることになります。やがて岩倉使節団の欧州視察と相まって、キリシタン禁制の高札は撤去、キリスト教は黙許されることになります。

浦上信徒の「旅」は「信教の自由獲得の旅」「宣教の旅」でもあったと締めくくられました。