2023年12月17日
待降節第3主日  ヨハネ1:6~8、19~28

 「主の道をまっすぐにせよ」

 先週に続いて、今日の日曜日の福音にも洗礼者ヨハネが登場します。マタイ・マルコ・ルカ福音書における洗礼者ヨハネの役割は「道を整える者」ですが、ヨハネ福音書においては「あかしする者」としてのヨハネの姿が強調されています。今日の福音の箇所(1:19~28)において、洗礼者ヨハネはユダヤ人の権威筋が闇の中にいてイエス様を知らないことを指摘します。それに続く箇所(1:29~34)においては洗礼者ヨハネが神から与えられたしるしによりイエス様を認めた次第を語り、さらに2人の弟子(ヨハネとアンドレア)にイエス様を紹介する(1:35~39)という決定的な証言をします。このように洗礼者ヨハネはユダヤの権威ある人々、イスラエルの民衆、弟子たちの前で次々とイエス様をあかししてゆくのです。

 この3種類の人々はこれからもずっとヨハネ福音書の中に登場します。1番目のユダヤの権威筋の人々は、イエス様のことばを聞き、そのわざを見てもイエス様を信じることの出来ない人たちなのです。それは「この世」に属し、この世にとらわれているからなのです。「世はみことばによって造られたが世はみことばを知ろうとしなかった」(1:10)。2番目のグループの人々はイエス様のもとに来て、イエス様を見ますが、おぼろげにしかイエス様のことがわからない人々です。「人の子とは一体だれなのですか」と尋ねる群衆にイエス様は答えます。「光はまだしばらくの間、あなたがたのうちにある。闇に追いつかれないように、光のあるうちに歩みなさい。光の子となるために光を信じなさい」(12:34~36)と。3番目のグループに属する弟子たちは、イエス様のもとに来て、イエス様を見、そして信じる人々です。わたしたちは洗礼者ヨハネの証言によって、イエス様が「世の罪を取り除く神の小羊」であり、「聖霊によって洗礼を授ける方」であることを知るのです。アンドレアはイエス様との出会いを自分の兄であるシモン・ペトロに語り、さらにはギリシア人をイエス様に引き合わせます(12:20~22)。イエス様の弟子はこうしてイエス様をあかしする使徒となるのです。さて、わたしたちはこの3種類の人々のうちのどのグループの人に近い姿なのでしょうか? 自分の姿を見つめてみなければなりません。もうすぐクリスマス、喜びの時は近づいているのですから。

【祈り・わかちあいのヒント】
*わたしの心はどんなところが曲がりくねっているでしょうか?
*わたしたちのことばや行いはイエス様のことをあかししているでしょうか?