2023年12月3日
待降節第1主日 マルコ13:33~37

   「目を覚ましていなさい」

 いよいよ、クリスマスを目指して準備する季節である待降節が始まります。その第1主日のテーマは「目覚めていなさい」ということです。わたしたちは何時の間にか、自分たちのたてたスケジュールにとらわれてしまい、神様がひそかな姿で近づいておられることを忘れてしまいがちなのです。

 クリスマスを迎える季節は日本では「師走」と呼ばれるほど多忙な季節なのです。何故、イエス様はそのような時に来られるのでしょうか? 2000年前においても折悪しく住民登録のために旅をしている途中でした。「忙しい」という言葉は「心が亡ぶ」と書いて「忙しい」という意味になっているのです。わたしたちの心がすさみ、ほころび、傷つき、弱っているからこそ、主は闇に光を心にいやしをお与えになろうとして、やって来られるのです。

 「しもべたちに仕事を割り当て、責任をもたせ、門番には目を覚ましているようにと言いつけるようなもの」と今日の福音書は述べています。またこのことは「あなたがたに言うことはすべての人に言うのだ。目を覚ましていなさい」とも述べられています。このイエス様のことばは受難の直前、ゲッセマネに向かう前の弟子たちに述べられたことばです。すなわち、弟子たちには常に「今日、十字架を担ってキリストの後に従う」という決意が求められているのです。

 イエス様の誕生は最初から苦難と結びついているのです。旅の途中であり、ヘロデ王のおそろしいたくらみもあります。待ち望まれていた救い主でありながら、困難・苦難・悪意などの闇が襲ってくるのです。イエス様は灯火をたやさず、いつも光の中を歩むようにとわたしたちを励ましておられるのです。

 今年1年を振り返ってみても、世界でも日本でも、またわたしたちの身の回りでも、いろいろな不幸や困難がありました。だからこそ、「目を覚まして」いなければならないのです。自分の心がそれらの不幸に押しつぶされないように、目を閉じてしまい見ようとしないのではなく、この世の現実の中で、きっとどこかに、小さな姿で今日もやって来られるイエス様を探すように、祈りながらクリスマスを迎えたいものだと思います。

【祈り・わかちあいのヒント】
*今年のクリスマスを迎えるにあたってなすべきことはなんですか?
*今年の間にやっておくべきことはなんでしょうか?